BASF―工場のCO2排出削減へ、シーメンス・エナジーと戦略協業―

化学大手の独BASFは9日、エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーと戦略協業の基本合意を結んだと発表した。化学品生産で発生する二酸化炭素(CO2)の量の削減に向けて様々なパイロットプロジェクトを実施する意向。技術的・経済的に実行可能なプロジェクトを特定し、実行に移す。BASFのマルティン・ブルーダーミュラー社長は「BASFはCO2排出量の少ない新しい技術を可能な限り早く開発し、実用化したい」と述べ、シーメンス・エナジーとの協業に意欲を示した。

両社は現在、西南ドイツのルートヴィヒスハーフェンにあるBASFの本社工場で実施するプロジェクトを協議中。実施する可能性があるものとして◇50メガワット(MW)級のプロトン交換膜(PEM)電解槽を建設し水素を製造する◇工場の排熱を利用する熱出力50MWの高温ヒートポンプを生産設備に組み込む◇デジタル技術を利用したシーメンス・エナジーの製品を用いて工場内の送電網を近代化しCO2排出量を削減する――を挙げた。このほか、PEM電解槽の効率引き上げに向けたシステムと触媒の開発、および風力発電の分野で協業を検討する意向だ。

BASFはCO2の年間排出総量を2030年まで、18年の水準以下にとどめることを目指している。これは製品1単位当たりの排出量を30年時点で30%削減することを意味する。

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