ランクセス―米社を買収、抗菌・保存剤事業を強化―

特殊化学大手の独ランクセスは14日、米同業エメラルド・カラマ・ケミカルを投資会社アメリカン・セキュリティーズから完全買収することで合意したと発表した。ランクセスは家禽向け消毒・衛生製品や食品添加剤分野の製品を手がける仏テセオ・グループと、包装材産業向け特殊抗菌剤などを製造する仏INTACEの買収計画を1月に発表したばかり。消費者向け抗菌・保存剤事業を強化する意向だ。

エメラルド・カラマを約10億4,000万ドルで買収する。これは評価額(10億7,500万ドル)から債務を除いた額。当局の承認を経て買収手続きが下半期に完了すると見込んでいる。

エメラルド・カラマは食品や化粧品の保存剤、香料、飼料向け製品の有力企業で、消費者向け事業は売上全体の約75%を占める。このほか、産業用接着剤・樹脂向けの製品を手がけている。米ワシントン州カラマ、蘭ロッテルダム、英ウィッドネスに工場を持つ。昨年の売上高は4億2,500万ドルで、営業利益(EBITDA、特別費を除く)およそ9,000万ドルを計上した。

ランクセスは同社の買収により、米国事業も強化する。シナジー効果で買収後3年以内にEBITDA(同)が年3,000万ドル(2,500万ユーロ)押し上げられるとみている。

上部へスクロール