コメルツ銀行―巨額赤字に転落、年内に190支店閉鎖へ―

独コメルツ銀行が11日発表した2020年12月期暫定決算の税引き後損益は28億7,000万ユーロの赤字となり、前期の黒字(5億8,500万ユーロ)から大幅に悪化した。リストラ費用(8億1,400万ユーロ)と営業権・その他の無形資産の評価損(15億7,800万ユーロ)計上が響いた格好だ。

営業損益も12億5,300万ユーロの黒字から2億3,300万ユーロの赤字へと転落した。コロナ禍のほか、ポーランド子会社Mバンクの外貨建て融資に絡む引当金の計上が響いた。12月末時点の狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は13.2%で、前年同日を0.2ポイント下回った。

同行は収益力強化策の一環でドイツ国内の支店数を2023年末までに現在の790カ所から450カ所に削減する方針を先ごろ打ち出した。マンフレート・クノーフ頭取は今回の決算発表で、年内に190カ所を閉鎖することを明らかにした。今後はネット・モバイルバンキング事業を強化する意向で、これらサービスの利用を促進するために使い勝手などを改善する。リテール部門の経費率(業務粗利益に対する経費の比率)は現在の80%から59%へと引き下げていく。

フルタイム勤務換算で1万人の人員削減を行う計画については23年末までに80%以上を実施する。来年は営業損益で黒字転換を図り、24年には27億ユーロの利益を確保する目標だ。配当は23年12月期から再開するとしている。

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