ティッセンクルップ―鉄鋼部門の売却交渉打ち切り―

独複合企業ティッセンクルップは17日、鉄鋼部門の売却に向けた英リバティ・スチールとの交渉を打ち切ったと発表した。鉄鋼部門の評価額と取引条件で両社の溝が深かったためと説明している。業績が低迷する同部門を自力再建することにした。

リバティは12月、ティッセンの鉄鋼部門の買収に向けて拘束力のない提案を行ったことを明らかにした。過剰生産能力など欧州鉄鋼業界が抱える問題の解決と、環境に優しい「グリーン製鉄」実現の加速につながると意義を強調。資産、製品ライン、顧客基盤、事業地域の面でも補完性が高いとメリットを挙げていた。

リバティとの取引に対しては人員削減を警戒する労組が強く反対していたが、ティッセンの経営陣は同部門の売却を選択肢の1つとしてリバティと協議を続けてきた。

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