化学大手の独BASFが2月26日発表した2020年12月期決算の純損益は10億6,000万ユーロの赤字となり、前期の黒字(84億2,100万ユーロ)から大幅に悪化した。コロナ禍に伴い4-6月期と7-9月期に赤字を計上。10-12月期は10億5,500万ユーロの黒字(前年同期1億5,000万ユーロの黒字)となったものの、通期赤字の解消には届かなかった。
20年12月期の営業利益(EBIT、特別費計上前)は前期比23%減の35億6,000万ユーロへと落ち込んだ。産業ソリューション以外のすべての部門で利益が減少。特に川上部門のケミカルズとマテリアルズは減益幅がそれぞれ44%、17%に達した。また、表面技術(触媒、コーティング剤)は自動車業界からの需要減を受けて33%減と振るわなかった。
売上高は横ばいの591億4,900万ユーロを保った。販売量の減少と為替差損がマイナス要因となったものの、販売価格の上昇と事業ポートフォリオの効果で相殺された。
21年12月期は業績が大幅に回復する見通し。売上高で610億~640億ユーロ、EBIT(特別費計上前)で41億~50億ユーロを見込む。