コンチネンタル―2期連続赤字、半導体輸送で2億ユーロの費用増―

自動車部品大手の独コンチネンタルが9日発表した2020年12月期決算の純損益は9億6,190万ユーロの赤字となり、2期連続でマイナスに沈んだ。コロナ禍のほか、収益力強化に向けた構造改革が響いた。今期は黒字転換を目指す。

20年12月期の営業利益(EBIT、調整済み)は13億3,270万ユーロで、58.7%減少した。買収・売却を除いた実質売上高は15.0%減の375億7,390万ユーロで、売上高営業利益率は前期の7.3%から3.5%へと大幅に低下した。

研究開発費は0.5%増の33億8,180万ユーロへと拡大した。自動車業界の構造転換に対応するための費用を削れないという事情がある。

21年12月期は売上高で405億~425億ユーロ、売上高営業利益率で5~6%を見込む。コロナ禍、自動運転技術などへの投資、半導体不足は利益の圧迫要因になるとみている。

自動車業界では半導体不足が生産ラインを止めるなど大きな問題となっている。コンチネンタルは顧客メーカーに半導体を可能な限り早く納入するため、航空便やヘリコプター、タクシーを活用しており、今期は半導体の輸送費用だけで2億ユーロの追加コストが発生する見通しだ。

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