化学大手の独BASFは10日、日本のバイオケミカル企業、アライド・カーボン・ソリューションズ(ACS)との協力関係を戦略協業に発展させると発表した。生分解性界面活性剤・作用物質市場で主導的な立場を強化することが狙い。ACSに資本参加する。出資比率と出資額は明らかにしないことで合意した。
ACSは2008年の設立。人と環境にやさしい素材を提供し地球環境保全とオーガニックで健康な生活に寄与することを目指している。
BASFはACSとの協業を通しソホロ脂質ベースの物質を開発し、「BioToLife」という商標名で2020年4-6月期にアジア市場へ投入した。ソホロ脂質は界面活性を持つ糖脂質で、非病原性酵母によって産生される。BioToLifeは洗浄効果が高いだけでなく、皮膚や頭皮、口内の環境を整え有害微生物の繁殖を抑制する働きを持つ。
BASFは今後、ソホロ脂質ベースの新たな物質をACSと共同開発。需要が拡大し続ける生分解性の天然物質のポートフォリオを拡充する考えだ。ACSの山縣洋介最高経営責任者(CEO)は「BASFとの実り多い協働を楽しみにしている」と述べた。