独化学工業会(VCI)は16日、同国化学・製薬業界の売上高が今年は前年比5.0%増となり、拡大に転じるとの予測を発表した。製造業の景気回復が世界的に続いているうえ、ワクチン接種の開始でコロナ禍終焉の期待も高まっているため。国内売上が5.5%、国外が同5.0%伸びるとみている。
生産高については3.0%増加するとの見通しを示した。製薬を除いたベースでは伸び率が3.5%に上るとみている。出荷価格は2.0%の上昇を見込む。
2020年の業界売上高は前年比で4.4%落ち込んだ。国内が2.3%、国外が5.6%の幅で縮小。生産高は0.8%減で、出荷価格は1.8%低下した。
20年10-12月期の売上高は前期比8.1%増の470億ユーロに拡大した。国内が9.4%増、国外が7.3%増とともに大きく拡大。生産高は7.4%伸びた。工場稼働率は85.0%で、前期の81.6%を3.4ポイント上回った。出荷価格は0.4%上昇した。
一方、VCIが実施した最新のアンケート調査では、ロックダウンの長期化や半導体不足に伴う自動車業界の生産調整を受けて今年1-3月期の業績悪化を予想する会員企業の割合は約50%に達した。また、材料不足や物流上の問題を抱える企業があることが分かった。