ポルシェ―30年までに炭素中立へ―

フォルクスワーゲン(VW)の高級スポーツ車子会社ポルシェは、二酸化炭素(CO2)の排出量を差し引きでゼロにする炭素中立(カーボンニュートラル)を2030年までに実現する目標だ。オリファー・ブルーメ社長が週刊紙『ツァイト』に明らかにした。

販売総数に占める電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の割合を同年までに80%へと引き上げる。フラッグシップモデルの「911」については今後も内燃機関車を販売するものの、燃料は環境に優しいグリーン水素ベースの合成燃料「eフューエル」を利用するようにする。

ポルシェはeフューエルの実用化に向けてエネルギー設備大手のシーメンス・エナジーなどと共同プロジェクトを実施する。マゼラン海峡に接し風力の多いチリ南部のマガジャネス州にグリーン水素とeフューエルを製造する世界初の総合施設を建設。製造されたeフューエルを引き取ることになっている。同燃料の価格を現在の1リットル当たり10ドルから2ドル未満に引き下げることができるとみている。

電動車の生産では再生可能エネルギー電力を投入する。このため風力・太陽光発電に投資する考え。炭素中立実現に向けたその他の措置と合わせ総額10億ユーロ以上を投じる計画だ。

ブルーメ社長は、環境意識の高い顧客が増えていることや、投資家や銀行がESG(環境、社会、ガバナンス)を重視するようになっていることからも、炭素中立の実現は重要だとの認識を示した。

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