ファルタ―6分でフル充電の電池を開発、車への投入を視野に―

リチウムイオン電池の弱点を克服した新製品を電池製造の独ファルタが開発したもようだ。自動車への投入を視野に入れており、すでに顧客メーカーと協議を行っている。同社が自社サイト上の動画で明らかにした。

「V4ドライブ」と命名された同リチウムイオン電池セルは円筒形型で、直径21ミリ、長さ700ミリとなっている(21700タイプ)。

急速充電器を用いるとわずか3分で80%充電でき、100%充電も6分で行うことができる。その際、セルの最高温度は35度にとどまることから、過度な発熱による電池の故障を回避できる。また、マイナス25度の低温でも高い性能を発揮するという。

同社はV4ドライブのパイロット生産ラインを今年末に設置。2024年から量産を開始する意向だ。自動車のほか、ドローン、空飛ぶタクシー、電動工具など幅広い分野への投入を見込んでいる。

欧州連合(EU)の「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで計3億ユーロの補助金を受給する。EUは域内のセル生産能力を25年までに電動車700万台分に拡大することを目指している。

上部へスクロール