トヨタ―欧州ハイブリッド列車向けに燃料電池供給―

トヨタ自動車は8日、欧州連合(EU)の支援を受けて開発するハイブリッド列車向けに水素燃料電池モジュールを提供すると発表した。欧州鉄道セクターの二酸化炭素(CO2)排出削減に寄与すると期待されている。

欧州の鉄道の電化率は50%程度にとどまる。電化されていない区間には主にディーゼル列車が投入されている。車両を架線給電と燃料電池を併用するハイブリッドタイプに改めれば走行に伴うCO2の排出を回避できることから、同社は燃料電池ハイブリッド列車の実現に向けたコンソーシアム「鉄道向け燃料電池ハイブリッド・パワーパック(FCH2RAIL)」を欧州企業などとともに立ち上げた。燃料電池車「ミライ」で培ったノウハウを提供する。

同コンソーシアムではスペインCAF社製の電車を改良。トヨタの燃料電池モジュールを搭載するなどしてテスト走行を行い、認可の取得を目指す。燃料電池の搭載量を用途に応じて増やせば出力を増やせ、水素タンクの容量を増やせば航続距離を延ばせる。燃料電池の排熱は車両のエアコンに活用する。

テストでは生産から運行、破棄に至るライフサイクル全体で駆動システムが環境に与える影響も調査する。規格・標準化を視野に入れている。

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