ナカシマプロペラは13日、船舶用機器を製造する独ベッカー・マリン・システムズ(BMS)を買収したと発表した。船舶の環境規制強化に対応し製品開発力を強化するほか、付加価値の向上や海外事業強化を通してグローバル競争力を高める狙いだ。
欧州子会社ナカシマヨーロッパを通してBMSの持分51%を取得した。買収金額は明らかにしていない。
BMSはハンブルクに本社を置く1946年設立の企業。舵や省エネ付加物の製造と、エンジニアリングサービスを手がけている。「メウィス・ダクト」という名のスクリュー用ノズルなど船舶の環境負荷低減につながる製品を持つ。
国際海事機関(IMO)は船舶の温出効果ガス排出削減に向け、船舶燃料の硫黄含有許容上限量を従来の3.5%から0.5%に引き下げる規制を昨年、開始した。これにより船舶の省エネニーズが高まるなど、造船業界では省エネ技術投入の機運がこれまで以上に高まっている。
ナカシマプロペラはBMSを買収することで、製品・サービスの拡充を図る。マーケティング、製品開発、設計、営業、アフターサービス分野で事業を統合。自社内に「BMS営業グループ」を設置し、国内顧客にBMS製品を提供していく。
世界の造船は主に日韓中の3カ国で行われていることから、BMSは市場を開拓するためにナカシマプロペラの傘下に入った。両社は長年、協業関係にある。