機械業界が生産見通し引き上げ、電子部品や金属で供給不足発生

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は12日、独業界の2021年生産予測を引き上げた。中国を中心とするアジアと米国市場が拡大しているうえ、新規受注も回復していることから、実質生産成長率を従来の4%から7%へと上方修正した。3年ぶりに拡大に転じることになる。

名目生産高は2,130億ユーロとなり、20年実績の1,990億ユーロ(暫定値)から7.0%増加。名目売上高も20年の2,040億ユーロから2,180億ユーロへと6.9%増えるとみている。

VDMAが会員企業726社を対象に3月30日~4月1日に実施したアンケート調査によると、受注の減少・キャンセルが「ない」との回答は前回調査(1月)の15%から26%へと拡大し、2回連続でこれまでの最高を更新した。受注減・キャンセルの規模が「小さい」も40%に上っており、多くの企業でコロナ禍に伴う需要の減少に歯止めがかかっている。同調査は昨年3月中旬に始まり、今回で10回目。

一方、世界経済の急速な回復を受けて、部品不足に直面する企業は増えており、サプライチェーンの支障が「大きい」ないし「深刻」との回答は計40%となり、前回の20%から倍増した。同回答は昨年4月中旬の調査(47%)をピークに減少が続き、9月(第8回調査)には10%まで低下したが、その後は急拡大が続いている。

供給面で支障が「大きい」ないし「深刻」な部品・部材の種類では「電気系・電子部品」との回答が最も多く、計41%に上った。これに「金属・金属製品」が38%、「樹脂部品・ゴム」が20%で続いた。「化学品」は6%と比較的少ない。

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