接触なしでも屋内では感染、屋外のリスクはほぼゼロ

ドイツのエアロゾル研究者がドイツ政府と州政府に共同声明を送り、新型コロナウイルスの感染防止策を改めるよう要請した。「(エアロゾル感染に関する)研究で得られた重要な知見が今日に至っても実際の行動へと移されていない」と批判。感染はほぼすべて屋内で発生しているとして、アリバイ作りに過ぎない屋外での過剰な規制は中止すべきだと訴えた。

声明に参加したゲルハルト・ショイヒ国際医療エアロゾル研究協会元会長は公共放送ZDFの番組で、感染者20万人を対象とするアイルランドの調査を指摘。全感染者に占める屋外感染の割合は0.1%に過ぎないと指摘した。感染者と少なくとも15分以上、接触しなければ屋外で感染することはないと断言している。ジョギングする人にマスクの着用を義務付けることは無意味であり、サッカーなど屋外の試合で選手が感染するリスクも低いという。

一方、屋内については感染者と同室しなくても、感染者がいた換気の悪い部屋に後から入ることで感染する恐れがある。対策として、◇屋内では人と会う時間を可能な限り短くする◇頻繁に換気する◇感染防止効果の高いマスクを着用する◇学校や事務所、介護施設など人が長時間、とどまる場所では空気清浄装置やフィルターを設置する――を推奨している。