自動車部品大手のボッシュは14日、中国商用車大手の慶鈴汽車と燃料電池の合弁会社を設立したと発表した。世界最大の市場である同国で今後、燃料電池車の需要が大幅に増えると予想。燃料電池モジュールを現地生産し、可能な限り多くのメーカーに供給する意向だ。
新会社ボッシュ・ハイドロゲン・パワートレイン・システムズを重慶市に設立した。出資比率は明らかにしていない。ボッシュは技術的なノウハウを持ち寄り、慶鈴汽車は中国商用車市場の知見を提供する。
まずは燃料電池モジュールを今年、少量生産し、慶鈴汽車のテスト車両70台に供給する。来年ないし再来年の量産開始を計画している。
ボッシュは昨年、無錫市に燃料電池セル研究開発センターを開設した。スタックやエアコンプレッサー、制御機器など燃料電池モジュールの部品は主に無錫の工場から供給する。
中国汽車工程学会によると、同国の燃料電池車市場規模は2030年に100万台を超える見通し。ボッシュの役員は「中国は電動車の最も重要な成長市場だ」と述べ、需要の掘り起こしに意欲を示した。
ボッシュは欧州では車載燃料電池を19年4月からスウェーデン企業パワーセルと共同開発している。セルの中核部品であるスタックの供給をパワーセルから受け、来年にも量産を開始する意向だ。