自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が16日発表した3月のグループ新車販売台数は前年同月比53.4%増の95万5,500台へと急拡大した。増加は2カ月連続。比較対象の2020年3月はコロナ禍に伴う市場の大幅縮小が響いて37.6%減少しており、その反動が大きい。2年前の19年3月(99万8,900台)に比べると4.3%少ないものの、新型コロナ危機前の水準をほぼ回復した。
販売はすべての地域で2ケタ増となった。伸び率が最も大きかったのは北米で、81.8%増の9万1,700台を記録。世界最大の市場である中国も64.6%増の34万5,000台と好調だった。このほか、中東・アフリカ(63.5%増の3万8,800台)、南米(51.7%増の5万2,600台)も50%以上の伸びとなった。西欧は43.6%増の32万8,600台、中東欧は28.6%増の6万8,800台、中国以外のアジア太平洋は34.8%増の2万9,900台だった。世界販売に占める中国の割合は36.1%だった。
主要ブランドの販売はすべて大きく回復した。VWブランド乗用車は56.2%増の52万4,500台、アウディは64.3%増の18万5,300台、シュコダは35.0%増の9万7,400台、セアトは44.7%増の5万2,100台、ポルシェは50.8%増の2万8,100台と2ケタ台の伸びとなっている。商用車はVWブランド商用車が39.7%増の4万2,200台、MANが49.0%増の1万4,500台、スカニアが47.6%増の9,400台だった。
1~3月のグループ販売台数は243万1,900台で、前年同期を21.2%上回った。19年1~3月に比べると6.7%少ない。
地域別では中国が61.4%増の99万600台と断トツで大きな伸びを記録した。世界販売に占める同国の割合は40.7%と4割を超えた。
足元の西欧は4.6%減の73万5,000台へと落ち込んだ。そのほかの地域はすべて増加。中東欧は6.9%増の17万5,000台、北米は16.1%増の21万9,000台、南米は10.3%増の14万100台、中国以外のアジア太平洋は17.1%増の7万4,800台、中東・アフリカは23.6%増の9万7,300台となった。
主要ブランドではセアトが3.7%減少したのを除きすべて増加した。各ブランドの増加幅はVWブランド乗用車が24.6%、アウディが31.1%、シュコダが7.2%、ポルシェが35.5%、VWブランド商用車が1.0%、MANが34.1%、スカニアが26.7%だった。