ANAホールディングス(ANAHD)は15日、医薬品や日用品のドローン配送の事業化に向け、ドローン開発・製造の独ウイングコプターと業務提携を締結したと発表した。日本の新たな地域社会インフラとしてドローン配送ネットワークを構築していく。
ウイングコプターは固定翼型の垂直離着陸(VTOL)ドローンを手がける企業。同ドローンは世界各地の実証試験で強風や悪天候に強いことが証明されており、秒速20キロの強風下でも自律飛行できる。最高速度は時速240キロ。
ANAHDはドローン事業化プロジェクトを2016年に立ち上げ、18年から実証実験を行っている。19年には長崎県五島市でウイングコプターと実証を行い、機体性能を確認。その後は運行を行うための訓練を進めており、今年3月にはパイロットや航空機整備士といった航空機運航の知見を持つメンバーによる安全な運航を実現した。長距離を高速で飛行できるというウイングコプターの機材の特徴を活かし、22年度には離島や山間地域で安全なドローン配送を実現する目標だ。
ANAHDは航空会社として培ってきた航空機の安全運航に関する知見を活かし、オペレーターとしてドローンを運航。ウイングコプターは固定翼型VTOLドローン運航の知見を提供する。