鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップは21日、肥料大手の米CFインダストリーズから電解槽を受注したと発表した。CFは同電解槽を用いて環境に優しいグリーンアンモニアを製造する。
アンモニアは窒素と水素の合成で製造される。水素はこれまで化石燃料から合成されてきたため、大量の二酸化炭素(CO2)が発生するという問題があった。水素を再生可能エネルギー電力と水で製造すればCO2の発生を回避できることから、アンモニアもCO2フリーで作ることができる。アンモニアは肥料のほか、再生エネの輸送手段や合成燃料として使用される。
ティッセンはCFがルイジアナ州ドナルドソンビルに持つ世界最大のアンモニア工場に20メガワット(MW)のアルカリ電解槽(AES)を設置。CFは同電解槽を用いて2023年からグリーンアンモニアの生産を開始する。生産能力は年2万トン。
ティッセンは1月、カナダ電力大手イドロ・ケベックから88MW電解槽を受注した。CFとの今回の取引は北米2件目の電解槽の受注となる。