インテル―独に半導体工場建設も―

半導体大手の米インテルがドイツに工場を建設する可能性が出てきた。訪欧中のパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は欧州誌『ポリティコ』に、アジアに伍して半導体を生産できるようにするための枠組み条件を創出することを欧州各国の政府に要求していると述べたうえで、ドイツは欧州工場の有力な候補地だとの認識を示した。

同CEOは4月29日、ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相および自動車大手BMW、電気通信大手ドイツテレコムの役員と会談した。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のヴォルフスブルク本社を訪問したとの情報もある。30日にはブリュッセルで欧州連合(EU)欧州委員会のティエリー・ブルトン委員(域内市場担当)と欧州半導体戦略について協議したもようだ。

ポリティコ誌のインタビューでは「欧州に工場を建設するのであれば、地政学的にみて大陸欧州にするつもりだ」と述べるとともに、「ドイツを候補国のひとつと考えている。唯一ではないが良い候補だ」と明言した。

EUは半導体分野で欧州がアジアに強く依存している現状を改めるため、欧州半導体業界の有力企業であるSTマイクロエレクトロニクス、NXP、インフィニオン、ASMLに「半導体アライアンス」の形成を働きかけているとされる。これにより、半導体不足で生産に支障が出るような事態を回避する狙いだ。