化学大手の独BASFは4月29日の決算発表で2021年12月期の業績予測を引き上げた。1-3月期決算が好調だったうえ、世界経済の回復も加速しているためで、売上高を従来予測の「610億~640億ユーロ」から「680億ユーロ~710億ユーロ」へと上方修正。営業利益(EBIT、特別要因を除く)も「41億~50億ユーロ」から「50億~58億ユーロ」へと引き上げた。
1-3月期のEBIT(同)は23億2,100万ユーロで、前年同期を42%上回った。コロナ禍で悪化していたいケミカル(石油化学、中間体)とマテリアル(機能性材料、モノマー)の2部門がそれぞれ221%増、222%増と3ケタ台の伸びを記録。表面技術(触媒、コーティング剤)は64%増となり、前年同月同様に大きく伸びた。その他は農業ソリューションが横ばい、産業ソリューション(ディスパージョン&顔料、パフォーマンスケミカルズ)が3%減、栄養・ケア製品が14%減だった。純利益は94%増の17億1,800万ユーロに拡大した。
売上高は194億ユーロで、16%増加した。販売量の拡大と出荷価格の上昇が反映されている。
地域別でみると、アジア太平洋が全体をけん引。同地の売上高は43%、EBIT(同)は140%増えた。