高級車大手BMWは7日の決算発表で、業界全体を覆う半導体不足の影響が同社にも及んできたことを明らかにした。オリファー・チプセ社長は4月に一部の工場で操業を停止したのに続き、今後も生産調整が避けられないとの見方を示した。
競合フォルクスワーゲン(VW)やダイムラーと異なり、BMWはこれまで半導体の確保に成功し、生産を計画通りに進めることができた。だが、4月末に独レーゲンスブルク工場と英オクスフォード工場で半導体不足を理由に初めて生産ラインを停止した。停止日数はそれぞれ2日、3日間。
チプセ社長は業界の半導体不足は今後1~2年、続くとの見方を示した。ただ、同社はサプライチェーンの状況を4~5次下請けまで明確に把握していることから、部品・部材不足のリスクを早い時点で察知し対応できると強調。半導体不足で今後、生産調整を行っても利益には影響が出ないとの見方を示した。
1-3月期の営業利益(EBIT)は30億2,500万ユーロとなり、前年同期を120.0%上回った。世界最大の中国市場がコロナ禍から立ち直ったことが大きく、売上高は15.2%増の267億7,800万ユーロを記録。純利益は5億7,400万ユーロから約5倍の28億3,300万ユーロへと拡大した。
乗用車部門のEBITは22億3,600万ユーロで、前年同期(2億2,900万ユーロ)の約10倍となった。売上高は26.5%増の227億6,200万ユーロとなっており、売上高営業利益率は1.3%から9.8%へと急上昇した。
乗用車の販売台数は33.4%増えて63万6,606台となった。電動車は128.7%増の7万207台と2倍以上に拡大している。