量子技術開発を政府が支援、基礎研究と応用に総額20億ユーロ

ドイツ政府は11日、量子技術の研究開発の支援計画を発表した。新型コロナ危機を受けて昨年6月に打ち出した景気プログラムの一環で、2025年までに総額20億ユーロを提供。量子コンピューター分野で先行する米国と中国を追撃する。

支援を行うのは教育・研究省と経済省で、予算規模はそれぞれ約11億ユーロ、8億7,800万ユーロに上る。教育・研究省はデモ用量子コンピューターの国内設置を支援する。これを使って包括的なテストを実施。量子コンピューターのメリットとデメリット、システム特融の誤差原因などを早期に特定する。また、量子コンピューターが持つポテンシャルをどの投入分野で引き出せるかを企業や基礎研究者が判断できるようにする。

経済省は応用分野の支援を行う。補助金総額の8割強に当たる7億4,000万ユーロをドイツ航空宇宙センター(DLR)が民間と共同設立する2つのコンソーシアムに提供する。両コンソーシアムでは量子コンピューターのハードウエア、OS、アプリケーションソフトを開発する。ペーター・アルトマイヤー経済相は「量子コンピューターの開発と実用でドイツを世界トップに引き上げることが目的だ」と明言した。基礎研究の成果を速やかに実用化することを目指している。

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