欧州連合(EU)の欧州委員会は12日、加盟各国にインドからの渡航を制限する措置の強化を要請したと発表した。同国で猛威を振るう新型コロナウイルス変異株の感染が域内で拡大するのを防ぐためで、入国を認める対象者を厳しく限定するよう求めている。
インドでは感染力が高く、免疫力が低下するとされる「B.1.617」と呼ばれる二重変異株(1つのウイルスで2つの変異が起きる変異株)の感染拡大などで、新型コロナ感染者が爆発的に増加し、多数の死者が出ている。
すでにEUはインドからの不要不急の渡航を禁止しているが、欧州委は水際対策の強化が必要と判断。加盟国にEU市民や長期滞在者の帰国、難民など人道的に配慮すべき事情がある人による渡航など特例を除き、同国からの入国を禁止するよう働きかけている。入国を受け入れる場合も、ウイルス検査、一定期間の隔離など感染対策の強化を求める。