10万人当たりの新規感染者が100人未満に

人口10万人当たりの直近7日間の新型コロナウイルス新規感染者数(7日間の発生数)がようやく100人を下回った。ロベルト・コッホ研究所(RKI)の14日午前4時56分時点のデータによると、7日間の発生数は96.5人となり、前日の103.6人から7.1人減少。3月20日(99.9人)以来、8週間ぶりに100人未満となった。100人未満の地域では「緊急ブレーキ」という厳しい規制が解除できることから、制限措置を緩和する動きが出ている。

ドイツは現在、感染第3波の渦中にある。そのピークに当たる4月26日には7日間の発生数が169.3人に達したが、その後は急速に低下している。新規感染者数は14日現在、1万1,336人で、1週間前の1万8,485人から39%減少した。

7日間の発生数が最も少ない州は北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州で、42.8人となった。危険地域の下限である50人を下回っている。全16州のうち同州を含む計9州が100人未満まで下がった。

緊急ブレーキは4月24日から適用された。当初は全国412地域の81%に当たる333地域が対象となっていたが、現在は50%程度に減っている。各州政府はこれを踏まえ、100人未満の地域の緩和ルールを作成。ハンブルクでは夜間外出規制を12日に解除した。21日からは飲食店の店舗営業を屋外に限って認める。シュレスヴィヒ・ホルシュタインは17日から観光客の受け入れを再開した。バイエルンではビアガーデンなど屋外での飲食サービスがすでに解禁された。ヘッセンでは17日から制限措置の緩和が始まり、感染状況が安定的に推移ないし改善すればさらに緩和が推し進められる。デュセルドルフを州都とするノルトライン・ヴェストファーレンも2段階で緩和を進める。

13日には新たな入国政令が施行され、国外旅行のハードルも低下した。ワクチン接種の完了者と感染からの回復者は陰性証明がなくても入国できるようになった(ワクチンパスなどの証明書を提示する必要あり)。ただし、RKIが指定する「変異種流行地域」から入国する場合は陰性証明が引き続き必要となる。

また、ワクチン接種の完了者と感染からの回復者に該当しない人も陰性証明を提示すれば、「危険地域(主に7日間の発生数が50人以上、200人以下の地域・国)」からの帰国の際に自主隔離義務が免除される。対象となる国は100カ国以上に上る。イタリア、ギリシャ、スペイン、オーストリアなどドイツ人観光客に人気の高い国が含まれることから、旅行需要は今後、大幅に増える見通しだ。

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