自動車大手のBMWは21日、中国IT大手のアリババと共同でスタートアップ企業の支援プロジェクト「ジョイント・イノベーション・ベース」を開始したと発表した。画期的な技術やサービスの実用化をサポートするとともに、自社製品などに取り込んでいく狙い。中国事業を統括するヨッヘン・ゴラー氏は「中国は世界のイノベーションの中心地となった」と指摘したうえで、「BMWグループは中国でのデジタル・プレゼンスを強化し、車両電動化に向けた変革を加速する」と語った。
BMWのスタートアップ発掘・支援業務を手がけるBMWスタートアップ・ガレージがジョイント・イノベーション・ベースの事業拠点を上海の金橋鎮経済・技術開発地区に開設した。インターネットとIoT、自動車産業の懸け橋となる製品、ソリューション、サービスのスケール化を3年間、支援していく。対象となるスタートアップは300社程度となる見通し。これらの企業はアリババのクラウドインフラを使用できるほか、BMWの専門家や部署にアクセスできる。
BMWスタートアップ・ガレージはミュンヘン近郊のガルヒングに本部、米シリコンバレーのマウンテンビュー、上海、ソウル、東京、シンガポール、イスラエルのテルアビブに事務所を置く。新しい技術などをいち早く発掘・確保することを任務としており、ミュンヘンの開発本部とは緊密に連携している。