帝人は19日、独子会社テイジン・カーボン・ヨーロッパ(TCE)が一方向性の炭素繊維プリプレグ「テナックスTPUD」の新製品として、母材にポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を使用したテープ状の炭素繊維プリプレグを開発したと発表した。すでに市場展開しているポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂やポリアリールエーテルケトン(PAEK)樹脂を使用したテナックスTPUDより低い温度で成形できるのが特長。要求特性の厳しい航空機や自動車をはじめ、石油・ガス産業、スポーツ、医療、産業機械など幅広い用途に投入できる。また、難燃性と低発煙性能に優れることから、航空機や鉄道車両の内装用途にも使用できる。帝人はこれまで、PEEK樹脂、PAEK樹脂を母材としたテープ状の炭素繊維プリプレグを展開してきた。母材にPPS樹脂を使用した新製品を開発したことで、これまでより幅広い分野への展開が可能となる。プリプレグは炭素繊維に樹脂を含浸させた中間材料。