ドイツ連邦統計局が5月31日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.5%増となり、2011年9月以来およそ10年ぶりの高い伸びを記録した。エネルギーの上げ幅が前月の7.9%から10.0%へと拡大。サービスも1.6%から2.0%へと高まった。食料品は1.9%から1.5%へと低下した。
比較対象の2020年5月はコロナ禍で石油価格が直近の底となっており、今年5月はその反動で高騰した。ノルトライン・ヴェストファーレン州では暖房油の上げ幅が16.2%、自動車燃料が同28.4%に達した。
ドイツでは新型コロナ危機対策の一環で昨年7月から12月にかけて付加価値税率が一時的に引き下げられた。このため、今年7月から12月は付加価値税が元の水準に戻された影響で前年同月比のインフレ率が一段と押し上げられる見通し。連邦銀行(中銀)は4%に達する月もあると予想している。
前月比のインフレ率は0.5%で、前月の同0.7%から低下した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が2.4%、前月比が0.3%だった。