ドイツ連邦統計局が5月28日発表した4月の輸入物価指数は前年同月比10.3%増となり、2010年12月以来10年4カ月ぶりの大きな伸びを記録した。同物価の上昇は3カ月連続。世界経済の回復を受けて中間財とエネルギーが大きく上昇した。
エネルギーの上げ幅は101.3%に達した。比較対象の昨年4月はコロナ禍で価格が急落しており、その反動が大きい。製品別では電力が209.6%、原油が198.0%と3ケタ台の伸びを記録。石油製品は76.6%、天然ガスは57.6%、石炭は15.3%に上った。エネルギーを除いた輸入物価のインフレ率は4.8%だった。
中間財は平均で12.5%高くなった。鉄鉱石は76.8%、非鉄金属鉱石は40.2%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は25.8%、樹脂は33.3%上昇した。
投資財は0.6%低下した。タブレット端末が3.5%、スマートフォンが2.2%下落。ノートパソコンは2.6%、自動車・自動車エンジンは0.7%上昇した。
耐久消費財は1.0%落ち込んだ。
非耐久消費財は0.3%上昇した。植物・動物性油脂が17.4%高くなったのに対し、豚肉は12.4%低下した。
農産物は前年同月を4.9%上回った。天然ゴムが47.9%上昇。穀物とコーヒー生豆も上げ幅がそれぞれ13.9%、9.4%に上った。豚は29.0%下落した。
輸入物価は前月比でも1.4%上昇した。エネルギーは同0.8%で、エネルギーを除いた同物価の上げ幅は1.5%だった。
4月の輸出物価は前年同月比で3.3%、前月比で0.8%それぞれ上昇した。