三井化学―BASFとケミカルリサイクル協業を検討―

三井化学は1日、独同業BASFと日本国内でのケミカルリサイクルの推進に向けた協業の検討を開始したと発表した。バリューチェーン横断的な連携を通じて、廃プラスチックのケミカルリサイクルを事業化する考え。共同ビジネスモデルを含めあらゆる可能性を検討していく。

廃プラスチックのリサイクルには破砕溶解などの処理を通して原料として再生利用する「マテリアルリサイクル」と、化学的な処理で熱分解油を作り原料として再利用する「ケミカルリサイクル」がある。ケミカルリサイクルは技術的、経済的、生態学的な理由からマテリアルリサイクルされていない廃プラスチックを対象とするもので、欧州ではすでにケミカルリサイクルされた製品が販売されている。

BASFは現在、欧州の統合生産拠点(フェアブントサイト)を中心に、ケミカルリサイクルのプロジェクトを展開している。同プロジェクトで培ったノウハウを今回の協業に持ち寄る。

三井化学の平原彰男常務執行役員(ESG担当)は「日本においてもプラスチック問題は大きな社会課題であり、バリューチェーン全体での社会変革を求められています。BASFが欧州で実証しているケミカルリサイクル技術は価値あるソリューションであり、当社が持つ技術やエチレンクラッカーなどのアセットと組み合わせることで、循環経済の実現に向けた大きな布石になるものと思っています」と両社の協業の意義を強調した。

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