メルク―培養肉の商業化に向け2大学と提携―

ライフサイエンス大手の独メルクは5月27日、培養肉の開発で米タフツ大学、独ダルムシュタット工科大学とそれぞれ提携すると発表した。培養肉を競争力のある価格で量産できるようにすることが狙い。両大学と3年間に渡って協業する。

タフツ大学のデビット・カプラン教授を中心とするチームは今回の提携で、安全に食べることができる筋肉と脂質を量産するためのシステムを開発する。生体触媒を用いて生化学反応を行う装置であるバイオリアクターを設計・製造。最適の性質を持つ培養肉組織を量産できるようにする。

ダルムシュタット工科大学のアンドレアス・ブレーザー教授を中心とするチームは、人工生体組織の材料であるバイオインクの重層的な組織を量産するスクリーンプリント技術を開発する。スクリーンプリント技術は培養肉の一般的な製法である3Dバイオプリント技術に比べ生産速度が各段に速く、精度も高いという。

両大学との今回のプロジェクトはメルク・イノベーション・センターと米シリコンバレーにある同社のイノベーション・ハブがライフサイエンス部門と緊密に連携しながら推進していく。

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