ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した4月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を0.2%下回る112.4(暫定値)へと下落した。同指数の低下は4カ月ぶり。国内受注が4.3%減少して足を強く引っ張った。国外はユーロ圏が0.7%、ユーロ圏外が3.8%の幅で伸びた。
新規受注は大型受注を除いたベースでは1.5%増えた。また、新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月比で実質9.9%増となった。昨年2月を上回るのは7カ月連続。経済省は、「新規受注は高い水準で安定している」との見方を示した。
部門別でみると、中間財は前月比で1.0%落ち込んだ。減少は12カ月ぶり。国内が4.6%減と振るわなかった。
投資財は0.2%増えた。国内とユーロ圏はそれぞれ5.0%、0.5%減少したものの、ユーロ圏外が4.7%増と好調だった。
消費財は1.4%増加した。国内が3.0%、ユーロ圏が9.2%拡大。ユーロ圏外(5.3%減)の不振が相殺された。
統計局によると、減少幅は化学で2.1%、製薬で7.2%を記録した。自動車は3.4%増えた。
製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、3~4月は前の期の1~2月を実質4.6%上回った。大型受注を除いたベースでも増加幅は4.2%と大きい。
統計局は今回、3月の製造業新規受注を前月比3.9%増とし、当初の3.0%増から上方修正した。
統計局が同日発表した4月の製造業売上高は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比2.6%減(暫定値)となった。昨年2月に比べると4.9%低い。今年3月については当初の前月比2.0%増から同3.1%増へと上方修正した。