建材大手の独ハイデルベルクセメントは2日、100%炭素中立のセメント工場を建設する計画を発表した。炭素中立のセメント工場は世界初で、ドミニク・フォンアハテン社長は「炭素中立への転換に向けてグローバルなセメント業界内で主導的な役割を担う」と意欲を示した。
スウェーデン南部のゴットランド島にある工場を改築し、同工場が排出する二酸化炭素(CO2)をすべて回収。バルト海の海底岩盤内に貯留する。認可手続き後に建設を始め、2030年から最大で年180万トンのCO2回収・貯留(CCS)を開始する予定だ。
ハイデルベルクセメントは同プロジェクトに先駆けて、ノルウェーでCCSプロジェクトを実施する。同国南部のブレビックにあるセメント工場にCCS設備を設置。同工場のCO2排出量の50%に当たる年40万トンを24年から回収・貯留する。ここで得られる知見をゴットランド島のプロジェクトに活用する考えだ。