三菱電機は8日、炭素中立の開閉装置の共同開発を検討することで独シーメンス・エナジーと基本合意したと発表した。電流遮断や絶縁にこれまで使用されてきた六フッ化硫黄ガス(SF6ガス)は地球温暖化係数(GWP)が極めて高いことから、GWPがゼロのドライエアを用いた開閉装置の共同開発を検討する。両社はドライエアベースの開閉装置をそれぞれ単独で開発してきたが、共同化することで製品化を加速する狙いだ。製造と販売、アフターサービスは各社で行う。
電力遮断などに半世紀にわたって用いられてきたSF6ガスは温室効果が二酸化炭素(CO2)の2万3,500倍と極めて高い。開閉装置からのガス漏れはほとんどないものの、温室効果リスクがあることから、同装置の脱炭素化が重要な課題として浮上している。
ドライエアは酸素と窒素の混合ガス。温室効果がないことから環境負荷が小さいうえ、保守作業も効率化できる。