輸出が12カ月連続で増加、コロナ禍前の水準をほぼ回復

ドイツ連邦統計局が9日発表した4月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで1,119億ユーロとなり、前月を0.3%上回った。増加は12カ月連続。新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の昨年2月に比べると0.5%低いものの、コロナ禍前の水準をほぼ回復した。

輸入高は前月比1.7%減の961億ユーロとなり、3カ月ぶりに落ち込んだ。昨年2月に比べると5.5%高い水準にある。

非調整ベースの輸出高は1,118億ユーロで、前年同月を47.7%上回った。比較対象の昨年4月は世界貿易が急減速しており、その反動が出た格好だ。輸入高(同)も33.2%増の963億ユーロへと大きく伸びた。貿易収支の黒字幅は前年同月の34億ユーロから4.6倍の155億ユーロへと拡大。経常黒字も100億ユーロから2.1倍の213億ユーロへと増えた。

輸出(同)を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはEUで、ユーロ圏は前年同月を59.8%、その他の加盟国は同55.9%上回った。EU域外は36.5%増で、米国は59.9%の伸びを記録した。中国は16.0%増。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は64.1%増となり、減少にひとまず歯止めがかかった。

輸入(同)でもEU加盟国との取引が全体をけん引。増加幅はEUのユーロ非加盟国で55.1%、ユーロ圏で40.5%に上った。EU域外は22.3%で、中国は13.3%、米国は2.2%だった。英国は0.6%減少した。

1~4月(同)の輸出高は4,448億ユーロとなり、前年同期を11.1%上回った。ユーロ圏向けが14.7%、EUのユーロ非加盟国向け14.5%の幅で増加。EU域外向けは7.1%増で、英国向けは5.8%減だった。

1~4月(同)の輸入高も9.0%増えて3,768億ユーロとなった。ユーロ圏からが10.6%、EUのユーロ非加盟国からが17.3%、EU域外からが4.9%増加。英国からは21.3%減だった。

1~4月(同)の貿易黒字は680億ユーロで、前年同期を24.3%上回った。経常黒字も21.4%増の878億ユーロへと拡大した。

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