量子コンピューターの寄付講座、BMWがミュンヘン工科大に

自動車大手の独BMWは16日、地元ミュンヘン工科大学(TMU)に量子コンピューターの寄付講座を開設することで合意したと発表した。量子技術の基礎研究を産業利用に橋渡しすることを狙ったもので、新講座から同社に研究の成果や知見を提供する。BMWのフランク・ヴェーバー取締役(開発担当)は、量子コンピューターは電池化学などの材料研究や自動運転など多くの実用分野で巨大な可能性を持っていると期待感を示した。

「量子アルゴリズムとアプリケーション」と言う名の講座を開設。量子アルゴリズムを開発し、実用分野で試用する。期間は6年。BMWは510万ユーロを寄付する。スーパーコンピューターでは対応できない複雑な問題を解決できるようにする狙いだ。

地元バイエルン州政府はミュンヘン圏を量子技術の国際的な中心地「ミュンヘン量子バレー」に発展させる構想を打ち出している。TMUのトーマス・ホフマン学長はこれを踏まえ、「BMW-TMU枢軸は今回の協業により、量子技術の国内トップのエコシステムであるミュンヘン量子バレーを強化する」と強調した。

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