ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した5月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を3.7%下回る109.1(暫定値)へと下落した。同指数の低下は5カ月ぶり。国外受注がユーロ圏で2.3%減、ユーロ圏外で9.3%減と振るわなかったことが反映されている。ユーロ圏外は前月の反動で自動車が14.4%減となり、足を強く引っ張った。国内受注は0.9%増えた。新規受注は大型受注を除いたベースでも3.7%減少した。
新規受注は新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると実質6.2%増加した。昨年2月を上回るのは8カ月連続。経済省は、「新規受注は依然として(新型コロナ)危機前を上回る水準で推移している」と指摘した。
部門別でみると、中間財は前月比で3.6%落ち込んだ。減少は2カ月連続。ユーロ圏外が9.9%減と振るわなかった。
投資財は4.6%減少した。ユーロ圏が5.1%、ユーロ圏外が10.5%の幅で落ち込んだ。
消費財は3.9%増加した。ユーロ圏とユーロ圏外がそれぞれ7.6%、7.0%増えて全体を押し上げた。
製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、4~5月は前の期の2~3月を実質0.6%上回った。大型受注を除いたベースでは増加幅が1.4%に上る。
統計局は今回、4月の製造業新規受注を前月比1.2%増とし、当初の0.2%減から上方修正した。
統計局が同日発表した5月の製造業売上高は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比0.5%減(暫定値)となった。昨年2月に比べると5.4%低い。今年4月については当初の前月比2.6%減から同2.5%減へと上方修正した。