JX金属は5日、新会社JXメタルズ・サーキュラー・ソリューションズ・ヨーロッパ(JXCSE)を独フランクフルトに設立すると発表した。使用済み車載用リチウムイオン電池(LiB)リサイクル事業と電池材料事業を推進していく。8月1日付で業務を開始する。電動車の普及で先行する欧州で事業を拡大する意向だ。
使用済み車載LiBは電動車の普及に伴い今後、大量発生が予想されている。JX金属はこれを踏まえ、使用済みLiBに含まれるレアメタルを再び車載用LiBの原料として使用する「クローズドループ・リサイクル」の実現に向けたリサイクル技術開発を推進。また、次世代電池として期待される全固体電池向け材料などの技術開発を行っている。
同社はこれまで、ドイツに拠点を置くグループ会社TANIOBISを通じて、欧州自動車メーカーなどとの協業を見据えたLiBリサイクルの事業化に取り組んできた。これを次の段階へと高めるとともに、材料開発も含めた総合的な取り組みとして推進するため、JXCSEを新設する。
具体的には◇TANIOBISの設備や人的リソースを活用しつつ、欧州自動車メーカーなどと連携し、車載用LiBリサイクルの早期事業化を目的とした実証試験を行う◇新設する電池材料・リサイクル事業推進室とともに、TANIOBISとのシナジーを活かした電池材料の開発を進める◇現地のスタートアップとの協業や産学連携などを通し、リサイクルと材料開発の両輪での事業化推進を加速する――意向だ。