エボニック―PA12の新工場で竣工式―

特殊化学大手のエボニックは8日、独ルール地方のマールに建設したポリアミド12(PA12)工場の竣工式を行った。今後は個々の生産工程で操業を開始し、10-12月期にフル稼働体制に入る予定だ。

PA12は軽量で安定性、耐熱性に優れた樹脂。これまで金属が使われていた分野への投入が増えており、自動車、ガス・石油パイプライン、3Dプリンターや医療器具の材料として需要が拡大している。

エボニックはこれを踏まえ18年、マールにPA12工場を新設することを決定した。投資額は約5億ユーロで、同社がドイツ国内で行ったものでは過去最大。新工場の開設によりPA12の生産能力を50%以上、拡大した。

同社は米国ないしシンガポールにPA12の新工場を建設することも検討したが、最終的にマールに白羽の矢を立てた。マールにはすでにPA12工場があり専門人材が多くそろっているうえ、原料の供給を近隣のゲルゼンキルヒェンにあるクラッカーから低コストで受けることもできるため、同地を選定した。

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