化学大手の独オルネクスは12日、投資会社アドベントが同社をタイのPTTグローバル・ケミカル(GC)に売却することで合意したと発表した。取引金額は約40億ユーロ。規制当局の承認を経て取引が10-12月期に完了すると見込んでいる。
オルネクスはフランクフルトに本社を置いていた旧ヘキストの樹脂子会社ヴィアノヴァ・レジンズの後継企業で、アドベントは米化学大手サイテックから2013年に10億ユーロ弱で買収。社名を現在のものに改めた。16年にはニュージーランド同業のニュープレックスを買収し、産業用コーティング樹脂の世界最大手メーカーとなった。21年3月期の売上高は20億ユーロで、13年の2倍に拡大。営業利益(EBITDA)は3億2,500万ユーロに上った。雇用規模は約4,000人。
GCはエネルギー大手PTTグループの子会社。オルネクスを買収することで事業のグローバル化を推し進めるとともに、環境に優しい製品や技術を獲得する。オルネクスはアジア事業を強化する。