ドイツ機械工業連盟(VDMA)は7日、中国がドイツを抜いて世界最大の機械輸出国になったことを明らかにした。コロナ禍の影響が大きく、今年は再びドイツが首位になる可能性が高いものの、長期的には中国が継続的にトップを維持するようになると予想。国の支援を受ける中国勢に対抗するためには独メーカー各社が競争力を高めるとともに、欧州連合(EU)が適切な対策を取ることが重要だとしている。
VDMAの試算によると、2020年の世界の機械輸出市場規模は約1兆480億ユーロに達した。中国は輸出高が1650億ユーロで、シェア15.8%を獲得。ドイツは輸出高が1620億ユーロ、シェアが15.5%にとどまった。19年時点ではドイツのシェアが中国を1.4ポイント上回っていた。
独中逆転の背景には、中国がコロナ禍から迅速に立ち直ったのに対し、ドイツは主要市場の欧州が大幅に縮小したことがある。今年は欧州市場が回復することからドイツが再び世界1位に返り咲く可能性は高い。
中国は自国企業に不当な補助金を交付し、国際的な価格競争力を高めている。また、公的入札で国外企業を不利に扱っている。VDMAのウルリヒ・アッカーマン貿易部長はこれを踏まえ、公平な競争環境を実現するための措置をEUに要請する意向を表明した。