ドイツ連邦統計局が9日発表した5月の住宅建築価格は前年同月を6.4%上回り、2007年5月以来14年ぶりの大きな上げ幅となった。コロナ禍からの世界経済の回復を背景に幅広い業界で原料や部材、部品が不足。その影響が建材にも及んでいる。
上げ幅が特に大きい建材は木材で、構造業木材では83.3%に達した。屋根用ラス下地は同45.7%、鉄筋は44.3%、ワイヤーメッシュ(溶接金網)は30.4%に上る。
建材不足を受け、受注が潤沢であるにもかかわらず操短手当を労働局に申請する建設会社は少なくない。財界系シンクタンクIW経済研究所のエコノミストは『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、建材需給の正常化は早くても年末になるとの見方を示した。住宅需要の拡大が続いていることから、建築価格が下がる可能性は今後も低いもようだ。
建築価格は住宅以外でも上げ幅が大きく、オフィスビルは6.2%、商工業施設は6.6%に上った。