ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相は13日、同国の2030年の電力需要見通しを引き上げた。二酸化炭素(CO2)の排出削減目標を引き上げたことを受けたもので、従来を15%上回る645~665テラワット時(TWh)へと上方修正した。
政府は30年のCO2排出削減目標を従来の1990年比55%から同65%へと10ポイント引き上げる法案を作成し、6月末に議会で成立させた。これに伴い運輸や建造物、産業などあらゆる分野でCO2の排出許容上限値が引き下げられたことから、再生可能エネルギー電力の使用を拡大する必要が出てきた。
今回の予測は経済省の委託で調査会社プログノスが作成したもので、30年時点の普及数が電動車(乗用車)で1,400万台(従来予測700万~1,000万台)、ヒートポンプで600万基に拡大するほか、グリーン水素製造用の電力需要が30TWhに達することを前提としている。予測の詳細は今秋に公表される見通し。
アルトマイヤー経済相は予想電力需要の拡大に伴い、風力、太陽光発電の設置目標を引き上げる必要が出てきたと述べた。また、風力発電が盛んなドイツ北部から南部に電力を送るための新規の主要送電線を従来計画の3本から4本に増やす必要があるとの認識を示した。