自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は20日、上半期にグループ全体で販売した電気自動車(EV)が計17万939台となり、前年同期比で165.2%増加したと発表した。新モデル攻勢のほか、EV需要が急増していることが大きい。プラグインハイブリッド車(PHV)も204.2%増の17万1,300台と好調だった。
EV販売を地域別でみると、欧州は156.3%増の12万8,078台で、グループ全体の74.9%を占めた。欧州市場でのシェアは約26%に上る。
米国は伸び率が最も大きく、321.2%増の1万8,514台を記録。グループ販売の10.8%、米国市場の約9%を占めた。
中国は110.1%増の1万8,285台で、グループ販売に占める割合は10.7%だった。同社は現地仕様モデルのVW「ID.6」を6月に市場投入したこともあり、第3四半期は同国販売が加速するとみている。
欧州、米国、中国以外の地域は合わせて6,062台(335.2%増)にとどまった。
EV販売をブランド別でみると、VWブランド乗用車は182.4%増の9万2,859台、シュコダは257.2%増の1万7,697台、セアトは186.4%増の6,172台、ポルシェは342.5%増の1万9,822台と3ケタ台の伸びを記録。アウディは69.3%増の3万2,775台と他のブランドに比べ増加率が小さかった。商用車はVWブランド商用車が117.2%増の1,164台、MANが368.8%増の450台だった。
販売台数が最も多かったモデルはVW「ID.4」で、3万7,292台に上った。2位は同「ID.3」で3万1,177台。3位以下はアウディ「e-トロン」(2万5,794台)、ポルシェ「タイカン」(1万9,822台)、VW「e-アップ!」(1万7,890台)が続いた。
EV販売は第2四半期に加速した。第1四半期が前年同期比78.4%増の5万9,948台だったのに対し、第2四半期は259.7%増の11万991台と3.6倍に拡大している。