ヴォノヴィア―同業との合併が失敗、TOBの成立条件に届かず―

ドイツ最大の賃貸住宅会社ヴォノヴィアと競合ドイチェ・ヴォーネンの合併計画が失敗した。ヴォノヴィアは26日、合併に向けて実施したドイチェ・ヴォーネンに対する友好的な株式公開買い付け(TOB)で目標に届かなかったことを明らかにした。

ヴォノヴィアは5月、ドイチェ・ヴォーネンとの合併合意を発表した。同国では家賃の上昇に対し市民と左派政党の批判が強まっているうえ、炭素中立実現に向けた住宅の改修需要が高まっていることから、合併により規模の効果を実現し、コスト削減を図る考えだった。

TOBではドイチェ・ヴォーネンを約180億ユーロと評価。ドイチェ・ヴォーネン株を1株当たり52ユーロで買い取るほか、ドイチェ・ヴォーネンの2020年度配当を1株当たり1.03ユーロ支給する意向を表明していた。

すでに保有する株も含め50%超の株式確保をTOBの成立条件としていたが、実際に確保できたのは47.62%にとどまった。TOB方針の表明後、ヘッジファンドなどの投機筋がドイチェ・ヴォーネン株を買い漁ったことが響いた格好だ。

上部へスクロール