上期の電動車シェア、約3倍の22.5%に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が22日発表した電動車の上半期の新車登録台数は31万2,507台となり、前年同期(9万3,980台)の3.3倍に拡大した。購入補助金が昨年7月以降、大幅に引き上げられたことが大きい。乗用車新車登録に占める割合は7.8%から約3倍の22.5%へと上昇した。

同国では電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)が電動車とされ、補助金交付の対象となっている。FVCは全国レベルの水素補給インフラが未整備のため、ほとんど普及しておらず、電動車の大半はEVとPHVが占める。EVの乗用車市場シェアは10.7%で、2.9倍に拡大した。

電動車の割合が最も高いブランドはEV専門のテスラ、スマート、ポールスターで、100%に上った。これにDSが43.4%、ボルボが42.8%、起亜が30.5%、ルノーが30.2%で続いた。

スマート以外のドイツ車をみると、高級ブランドのポルシェ(29.4%)、メルセデス(29.1%)、ミニ(28.3%)、BMW(24.2%)、アウディ(23.1%)で全体の平均(22.5%)を上回った。二酸化炭素(CO2)の排出量が多い大型の内燃機関車の販売比率が高いことから、欧州連合(EU)のCO2規制を順守するためには電動車の販売を増やさなければならないという事情が背景にある。

大衆車ではEV化に注力するVWが21.4%と最も高かった。フォードとオペルはそれぞれ14.1%、13.3%にとどまったものの、前年同期の各2.2%、5.0%からは急速に拡大している。

日本車では三菱が26.3%となり、全体の平均を唯一、上回った。日産は13.5%、ホンダは10.0%、マツダは5.8%、トヨタは3.1%、レクサスは1.3%、スズキは0.2%となっている。日本勢はハイブリッド車(HV)の販売比率は高いものの、EVとPHVの市場投入では全体的に出遅れ気味だ。

1~6月の電動車のシェアはすべての月で前年同月を大幅に上回った。1月は前年同月の6.6%から21.7%、2月は6.9%から20.7%、3月は9.2%から22.5%、4月は8.5%から22.1%、5月は7.3%から23.4%、6月は8.6%から23.6%へと拡大している。

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