エネルギー大手の独RWE、英蘭シェル、蘭ガスニー、ノルウェーのエクイノールは23日、北海のドイツ海域でグリーン水素の生産・輸送プロジェクトを実施することで基本合意したと発表した。実現すればドイツ初の大規模洋上グリーン水素プロジェクトとなる。まずはフィージビリティ調査を実施し、実現に向けた課題などを明確化する。
「アクアセクター」と命名された同プロジェクトでは第一段階として、約300メガワット(MW)級の電解槽を設置。洋上風力発電の電力でグリーン水素を生産する。年産能力は最大2万トン。水素は2028年からヘルゴラント島にパイプラインで輸送する。
35年までには電解槽の能力を10ギガワット(GW)へと引き上げ、ドイツの大陸部まで輸送パイプラインを延長する。
海上での水素生産は陸上に比べ技術的に難しいものの、◇洋上風力発電は陸上風力発電に比べ設置可能な潜在面積が多いうえ、1基当たりの平均発電量も多い◇送電網が不要なことから電力コストを軽減できるうえ、発電網の過剰負荷を回避するために発電を停止するという無駄も回避できる――というメリットがある。