フォルクスワーゲン(VW)の親会社であるポルシェ・アオトモービル・ホールディングSEは7月28日、ロケットの建造と衛星打ち上げサービスを手がける独スタートアップ企業イザール・エアロスペースに出資すると発表した。イザール・エアロスペースの将来性を高く評価。ルッツ・メシュケ取締役(出資管理担当)は同社を「欧州の主導的な打ち上げロケットメーカーになる最高の前提を持つ企業」と称賛した。
イザール・エアロスペースが実施する約7,500万ドルの資金調達に他の投資家とともに応じる。ポルシェSEの出資比率は1ケタ台の前半。イザール・エアロスペースがこれまでに投資家から調達した資金の総額は1億8,000万ドルを超えることになる。
イザール・エアロスペースはミュンヘン工科大学からのスピンオフとして2018年に設立された。同社の超小型ロケット「スペクトル」は全長27メートルで、最大1トンを積載できる。来年6月ないし7月にスペクトルの初打ち上げを行う予定だ。
競合に比べて大幅に低い料金と顧客の衛星打ち上げニーズに時間面で柔軟に対応できることが強み。低料金はロケット製造を大幅に自動化することで実現した。超小型衛星の需要は今後、大幅に増えると見込まれている。