運輸大手のドイツ鉄道(DB)が7月29日発表した2021年6月中間期決算の営業損益(EBIT、調整済み)は9億7,500万ユーロの赤字だった。赤字幅は前年同期の17億8,000万ユーロから45.2%縮小したものの、依然として大きい。コロナ禍に伴う乗客需要の低迷が響いた格好。21年12月通期でも約20億ユーロの赤字を見込んでおり、黒字転換は22年12月期になる見通しだ。
21年6月中間期の鉄道利用者数は5億5,960万人で、前年同期を28.2%下回った。コロナ禍前の19年同期(12億9,300万人)からは約57%減少している。特に長距離列車の需要が大きく落ち込んでおり、前年同期比の減少幅は34%に上った。
新規感染者数がピーク時に比べて大幅に減った現在は乗客数が増えており、乗車率は約40%まで回復した。コロナ禍前は50%を超えており、正常化にはなお時間がかかる見通しだ。
鉄道貨物は好調で、輸送重量は11.7%増の1億1,510万トンに拡大。輸送量は12.6%増えて430億1,000トンキロとなった。経済の回復で物流需要が伸びていることが背景にある。
売上高(調整済み)は217億8,600万ユーロで、12.2%増加。税引き後損益は14億2,800万ユーロの赤字(前年同期:37億4,900万ユーロの赤字)だった。