入国者全員に証明を義務化、感染拡大防止に向け1日から適用

ドイツ政府は7月30日の閣議で、新型コロナウイルスに関する証明書の提示をすべての入国者に義務付ける政令案を承認した。夏季バカンスで国外旅行に出た市民の帰国が本格化すると、国内の感染者数が大幅に増える懸念があることから、そうした事態を避ける狙いだ。12歳以上の入国者は陰性証明ないしワクチン接種完了証明、感染からの回復証明のいずれかを8月1日以降、入国時に提示しなければならなくなった。

同国ではこれまで、新型コロナの感染者数が多い国・地域から入国する人に接種完了や陰性証明の提示を義務付けてきた。1日からは対象をすべての国・地域へと拡大した。また、従来は航空機で入国する人だけに同義務を課してきたが、同日からは列車や自動車で入国する人にも適用している。

陰性証明ではPCR検査だけでなく、結果がすぐに出る抗原検査も認められる。ただ、PCR検査では証明書の有効期間が72時間であるのに対し、抗原検査は48時間と短い(「変異株地域」からの入国ではともに24時間)。検査費用は本人が負担する。

陸路で入国する人を調べるために国境に検問所を設けて全員を検査する体制は敷かない。代わりに、国境地域で一部の車両を抜き打ち的に停車させ、証明書を保持しているかどうかを調べる。旅客機で入国する人はこれまでに引き続き、搭乗前の陰性証明提示が義務付けられる。

政府はまた、コロナの感染リスクが高い国・地域の分類基準を変更することも決めた。これまではリスク度に応じて、感染者数が多い「危険地域」、特に多い「高感染数地域」、感染力や重症化リスクの高い変異株が流行している「変異株地域」の3種類に区分してきた。1日からは危険地域を廃止したほか、高感染数地域を「ハイリスク地域」へと改めた。

ハイリスク地域からの入国者でワクチン接種完了証明ないし感染からの回復証明を提示できない人は、入国後10日間の隔離が義務付けられる(入国後6日目以降に検査を受け陰性証明を取得すれば隔離義務は解除される)。

変異株地域から入国できるは基本的にドイツ国籍保有者かドイツ在住の外国人に限られる。入国者はワクチン接種の完了者と感染からの回復者も含めて陰性証明の提示と、入国後14日間の隔離を例外なく義務付けられる。

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