輸出がコロナ禍前の水準を初めて凌駕

ドイツ連邦統計局が9日発表した6月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで前月比1.3%増の1,137億ユーロへと拡大した。増加は14カ月連続。新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の昨年2月に比べても1.1%高く、コロナ禍前の水準を初めて上回った。

輸入高は前月比0.6%増の1,001億ユーロとなり、2カ月連続で拡大した。昨年2月に比べると10.0%高い水準にある。

非調整ベースの輸出高は1,187億ユーロで、前年同月を23.6%上回った。比較対象の昨年6月は世界貿易が大きく落ち込んでおり、その反動が大きい。輸入高も同27.0%増の1,024億ユーロへと大幅に伸びた。貿易収支の黒字幅は前年同月比5.8%増の163億ユーロへと拡大。経常黒字も10.8%増えて225億ユーロとなった。

輸出を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはEUで、ユーロ圏は前年同月を24.9%、その他の加盟国は同29.0%上回った。EU域外は20.7%増で、米国は39.8%の伸びを記録した。中国は10.6%増。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は11.0%増となり、3カ月連続で拡大した。

輸入ではEU域外との取引が33.0%増と全体をけん引。米国は56.0%増加した。英国は11.5%増、中国は11.1%増だった。EU加盟国との取引増加幅はユーロ圏が22.5%、EUのユーロ非加盟国が21.3%だった。

1~6月の輸出高は6,731億ユーロとなり、前年同期を16.7%上回った。ユーロ圏向けが20.1%、EUのユーロ非加盟国向けが21.7%の幅で増加。EU域外向けは12.4%増で、英国向けも2.6%伸びた。

1~6月の輸入高は15.4%増えて5,764億ユーロとなった。ユーロ圏からが16.5%、EUのユーロ非加盟国からが21.5%、EU域外からが12.4%増加。英国からは10.9%減だった。

1~6月の貿易黒字は966億ユーロで、前年同期を25.5%上回った。経常黒字も23.8%増の1,232億ユーロへと拡大した。

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